「満つれば欠くる」~大的始式(おまとはじめしき):県指定無形民俗文化財~
2019年1月11日(金曜日)
1月11日(金),栖林神社において,大的始式(おまとはじめしき)が行われました。
この式は,直径175cmの大的を射て,その年の悪鬼災難などを祓い清め,島内の平安・無病息災を祈願する古式ゆかしい行事です。
第12代島主種子島忠時に弓の指南役として招かれた武田筑後守光長(たけだちくごのかみみつなが)が,文亀元年(1501年)に宮中の御的始式(おんまとはじめしき)を伝えたのがその起源で,500年以上にわたり受け継がれているそうです。
大的始式は,松明(たいまつ)を焚き,種子島家御紋の陣幕を張り巡らした中で行われ,射手は2人組で3番6射をなし,6人の射手が合わせて36本の矢で大的を射ることになります。35本までの矢が的中するとき,「満(み)つれば欠(か)くる」の戒めにより,最後の1射は故意にはずされるそうです。
特に,師範役の「本座に着かっしゃれ」「はずっしゃい」などのかけ声は,約500年前の室町時代の様子を再現するものらしいです。
新年の始めに,古式ゆかしい行事に参加させていただき,その年の無病息災を祈願することができました。「満(み)つれば欠(か)くる」の戒めの心を受け継がれている種子島の人々の心の持ちようを感じる日となりました。
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