新世紀金次郎
まずは,次の2枚の写真をご覧ください。
1学期に,F小のN教頭(日展会員:彫塑の第一人者)が修復の下ごしらえをしている場面。
N氏に,「朽ちた像が何とかならないか」相談の結果,快く修復を引き受けてくださいました。
あれから数か月,ついに16日(土)に,完全修復作業が始まりました。
前回,寸法をはかり,合成樹脂を使って特別に作られた価値ある「ランドセル」。
これを背中につけて,新たに生まれ変わった「新世紀金次郎」誕生です。
ラッカーをかけ,空の色,まわりの景色と同調するよう色づかいを配慮。
細やかに練られた計画で,寂しく朽ち落ちそうだった二宮金次郎さんがここに復活。
この「像」は,はるか昔,昭和17年に作られたものです。
背負っている「薪」が変わったことについては,いろいろな考えもあるでしょうが・・・。
時代の要請と新たな願いを込めて・・・。
次のコメント(手紙を要約)は,修復家Nさんからの「強い思い」と受け止めています。
・いつも,「厳しい境遇にあっても学に親しむ」象徴として周知されているこの像。
・しかし,「背負っていた。『薪の束』」が,あるとき突然の欠落。 ・これを,「永い苦学から半ば解放された」金次郎の姿ととらえることもできるのでは。 ・つまり,「勉学に専念しようと思えばできる時代になりましたよ」ということ。 ・ならば,「薪」を今の学習の象徴「ランドセル」に置き換えよう。 ・そして,「本を読み,学習に専念し,集中して自分を高めよう」の願いを込めよう。
こうして,新しいコンセプトの二宮像が,子どもたちの学習意欲の喚起につながるよう。
そう願って止みません。 新しい命を得た金次郎さん,お帰りなさい。
作業を終了し,最後に下から見上げたとき,一瞬,金次郎さんが微笑んだ気がしました。
そして,心なしか新しい金次郎さんの表情は柔らかく・・・。美しい秋空を背景に・・・。
「新たな命をありがとう」「よく学び,よく遊ぶんだよ」と語りかけているように見えます。
管理人
修復の様子を順に眺めていると青い空と白い雲を背に、
とっても嬉しそうな金次郎さん。
F先生の想いがとても素敵でウルっときました。
学べる喜び、幸せをかみしめます。
いくつになっても学べる幸せな時代です。子供にも伝えたいし、
私自身も学びの秋でいきたいと思います。
投稿: | 2010年10月18日 (月曜日) 16時37分
N先生の近くで学ぶ、我が子にさっそく、ブログをみせました。
教頭先生すごいねと子供たちと話すことでした。今度、家族で像を見に行きたいとおもいます。
投稿: F小保護者 | 2010年10月18日 (月曜日) 21時26分
写真にもある,この台座の言葉,「至誠報徳」。
自分を取り巻く全ての人への感謝の心を持ち,その感謝を生き方の基本として貫き
持つべき誠実な心と態度を表すこと。
改めて今回の厚意に対して,子どもたちにも伝えたい思いです。
早速,本日夕方に,正門近くの金治郎像を眺める保護者の姿を見かけました。
ぜひ近くで,ご家族で,この「ランドセル姿」をお確かめください。(管理人)
投稿: | 2010年10月18日 (月曜日) 22時18分