~前略~ みなさんは、今の太鼓の音がどんな言葉に聞こえましたか?「ドン」ですか。それとも「ダン」でしょうか。わたしは今、この太鼓が「ドコン・ドコン」という音でひびくように演奏しています。
ドコンの「コ」は、心をこめるの「コ」。種子島から日本全国に伝わった鉄砲の、ずっしりとしたひびきが伝わるように、ぐっと背筋を伸ばしてたたきおろします。だから「ドン・ドン」という音ではなく「ドコン・ドコン」に変わるのです。
~途中略~
こんなわたしの太鼓に対する心を変えてくれる大きな出来事がありました。それは、今年3月に東北地方で起こった「東日本大震災」です。あれから約5か月が過ぎました。わたしの太鼓はあの災害を見てから少し変わったような気がします。深い深い悲しみから立ち上がろうと懸命に生きている人,自分の力を分け、支えてあげようとしている人がいる。
なのに、「たたけばだれにでも音を出せる」という簡単な気持ちで太鼓に向き合おうとしていたわたしは、何だか恥ずかしくなりました。それからたたく和太鼓のひびきには、人にパワーを届け勇気を奮い立たせる不思議な力があると信じるようになりました。そして、ふりおろすバチに、今まで以上の「真剣な思い」を込められるようになりました。
わたしには今、介護士になって多くの人に優しく接してあげたいという夢があります。そして、一日も早い震災の復興への祈りを込めて、大好きな種子島の伝統を守る鉄砲太鼓の保存会に入り、これからもずっとずうっと太鼓をたたき続けていこうと思っています。
最後に・・・。8月21日,「鉄砲祭り」のステージに立ちます。
どうかみなさん、魂のこもった演奏を聴きにいらしてください。
心を込めた「ドコン・ドコン」というひびきを、必ずお届けします。
余韻のままに・・・。種子島を支える若い力に大きなパワーをもらった素敵な時間。
前日は,校庭の端から端を使って声を出す最終練習。
結果は,ただ一人に与えられる「最優秀賞」でした。
きっとこれは,ここに至るすべての時間,すべての思いに対しての「ご褒美」でしょう。おめでとう。
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